沿革
岡山大学のキャリア教育の取り組みは早く、2003(平成15)年に教育開発センター・キャリア教育研究開発部門が設置されたことによります。「いま、ここで困っている学生がいます。学問としてのキャリア教育ではなく、実学としてのキャリア教育を体系化してください。」当時の副学長の切実たる要望でした。多くの学生は、入学することが目標になっており、入学後には不安を抱えたまま学生生活を過ごし、大学3年生にして人生で初めて就職活動を行い、いくつもの企業から不採用通知をもらい、人格までが否定されたのではないかと悩む学生も多くいたのです。また、恥ずかしいことに高校の進路指導の先生方からは「優秀な学生を送っても伸びない」と指摘されたこともあります。
そこで、キャリア教育をもとに「大学で逆転」「大学で伸ばす」をキーワードに支援体制を充実させようと考えました。私たちは1年間をかけてキャリア教育に関する調査研究を行いました。すでに私立大学ではキャリア教育を開始していましたが、その多くは、卒業生であるOB・OGを招いて経験談を話してもらうといった教育内容が主流になっていました。しかしながら、柱が無い教育プログラムは、かえって学生達が迷い戸惑うばかりであるといった声も聞かれました。そこで、岡山大学の教育理念・教育目標との整合性をとり、岡山大学生にとってどのような教育体系が重要かを模索しました。企業からの要望、岡山大学卒業生のイメージ調査等々を実施し、ようやく地域や学生気質を考慮した段階的なキャリア教育体系ができあがりました。
その後、キャリア教育と就職支援は連動・一体化することが支援成果に結びつくとわかりました。そのようなことから岡山大学は、2006年(平成18)年7月、就職情報室とキャリア教育研究開発部門を統合し、キャリア教育と就職支援の担当部局を学生支援センター・キャリア支援室へと拡大、2010(平成22)年8月には、全学センターとしてのキャリア開発センターが設置されました。
そして、2016(平成28)年4月(2019(平成31)年4月改組)、キャリア開発センターは全学教育・学生支援機構の中へ発展的に包括され、2022(令和4)年4月には「教育推進機構 学生支援部門」として改組されました。このことから、これまで以上に学内にある各部局及び各機関との有機的な連携が実現し、本学学生のキャリア支援のさらなる充実化を図ることができるようになったのです。
平成15年 教育開発センター キャリア教育研究開発部門 設置
・キャリア教育導入の準備
平成16年 国立大学法人 岡山大学
・キャリア教育の開始
平成18年 学生支援センター キャリア支援室 設置
平成22年 キャリア開発センター 設置
平成28年 全学教育・学生支援機構 学生総合支援センター
キャリア支援部門 及び キャリア・学生支援室 設置
平成31年 全学教育・学生支援機構 高大接続・学生支援センター
学生支援部門 及び キャリア・学生支援室 設置
令和4年 教育支援機構 学生支援部門 及び キャリア・学生支援室 として改組