大学院医歯薬学総合研究科と医学部医学科は、2024年5月28日、「2024年度 岡山大学医学部医学科新任教員対象FDオンラインプログラム ~学修者中心の医学教育実践に向けて」を開催しました。これはZoomを使った研修で、約40人が受講。CTE部門はプログラムの企画段階から参加し、研修当日は石田衛教授が講義「学修者中心の授業にするには?」を担当しました。

研修の目的は、「岡山大学医学科で現在行われている教育概要を把握する」。到達目標として、次の4つを掲げました。

  1. 岡山大学医学科の使命と教育の理念を知る
  2. 岡山大学医学科の3ポリシー(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディグリーポリシー)とコンピテンシー(アウトカム)並びにカリキュラム概要を知る
  3. R4医学教育モデル・コア・カリキュラム・OSCE共用化・医師法改正について理解する
  4. 学生の主体的な学びを促進するための具体的方略を知る

今回の研修は、4つの講義の間に2つのグループワークを挟み込む構成となっていて、講師・ファシリテーター陣と新任教員とが双方向にやりとりしながら教え合い、学び合う工夫が凝らされました。

まず、地域医療共育推進オフィスの香田将英准教授が「本学の医学教育について」と題して講義し、医学教育における用語などを説明しました。CTE部門の石田教授は、ペアでの対話、グループディスカッションといったアクティブラーニングの効用を説明したほか、双方向のプレゼンアプリ「Mentimeter」を使う手法や、学習管理システム(LMS)のMooleを使い、小テストを実施して即時採点・フィードバックする方法など、効率的で効果的な医学教育への指針を示しました。

医療教育センターの伊野英男教授は、「医学教育の今後の方向性について」と題して講義し、医学科カリキュラムの構成や、共用試験、医師法の改正などを解説。共通教育部門オンライン教員推進室の籠谷裕人准教授は、「効果的にLearning Management Systemを取り入れるには」をテーマに講義し、StreamTeamsMoodleを活用してできるさまざまな機能を紹介しました。

一方、講義の間に2つのグループワークを担当したのは、医療教育センターの越智可奈子助教でした。「自身の学生時代に印象に残っている講義・実習・教員は?」、「学生アンケート問題事例の解決策を検討しよう」といったテーマを掲げ、受講者にディスカッションの効用を体験してもらいました。

石田衛教授のオンライン講義の一場面。アクティブラーニングについて。
石田教授のオンライン講義の一場面。Mentimeterを使い、受講者に問いかけた。