このたび,平成30年度の受賞者が以下のとおり決定しましたので,お知らせします。

受賞科目

アクティブ・ラーニングを活用した授業

受賞科目
上級英語
担当教員
全学教育・学生支援機構 COWIE NEIL JAMES 教授
選考理由

 この科目は,外国語教育から国際理解への展開を試みている授業であり,SDGsをテーマとした模擬国連への参加を学習成果の出口の一つに設定し,各国の立場に立った調査や,プレゼンテーション,ディスカッションなどの課題やピア学習により,学生の興味を惹きつけつつ,学習意欲を高めることに成功しています。
 また,別のイベントを利用することで,他の授業にも応用できると思われ,全学へ広めるべき優れた手法であります。
 これらの点から,アクティブ・ラーニングを活用した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 アクティブ・ラーニングを活用した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 この度は岡山大学ティーチング・アワードをいただき大変光栄に思います。この賞の対象となるクラスは、模擬国連(MUN)と呼ばれます。これは、実際の国連(UN)のシミュレーションで、学生が割り当てられた国を代表し様々な議題について議論する内容です。岡山大学の学生は、国内外で多くのMUNイベントに参加しています。例えば、2019年3月はニューヨークに行き、他にも11月にドイツでの模擬国連に参加します。MUNイベントの準備をするために、国連の仕組みについて、また割り当てられている国について(ドイツのイベントではセネガルを代表します)、そして核兵器問題など重要な議題について調査・研究を行います。学生は、世界が直面する問題について議論し解決策を模索することに非常にやりがいを感じ、人生を変えうる経験になっています。MUNに参加する過程で、学生は交渉力、リーダーシップ、チームワークに貢献する力を養っていきます。そしてこういった過程すべてを英語で行います。今回のティーチング・アワードを受賞したことは、学生がMUNに精力的に参加してくれたことを表すものであり、彼らを代表してその成果が認められたことを大変嬉しく思います。

 

SDGsに関連した授業

受賞科目
バリアフリーとアクセシビリティ
担当教員
全学教育・学生支援機構 池谷 航介 講師
選考理由

 この科目は,全学生の意見を講義内に反映させていく方法として,講義中に学生から意見を募り,リアルタイムにグラフ化したりスレッドとして表示したりすることが可能なWEBプレゼンテーションシステム「MENTIMETER」を活用しており,多人数授業でありながら,双方向性の授業スタイルへとシフトさせることに成功しています。
 また,学生に自己の社会的責任を自覚させ,「人間観」を養い,SDGsを「自分ごと」として考えさせており,授業の主題とそれを扱う手法の両面で先端的と言えます。
 これらの点から,SDGsに関連した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 SDGsに関連した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 大変栄誉ある賞を賜り,喜びとともに身が引き締まる思いでおります。また,学生諸君からの推薦があったと伺いました。「バリアフリーとアクセシビリティ」というテーマに呼応する形で授業自体のアクセシビリティ向上を目指してきたことが,多少なりとも学びの促進に寄与できていたとするなら,嬉しい限りです。我が国では今後,「障がい」をいわゆる「社会モデル」で捉えなおすことができるよう,理解啓発を加速・継続させていかなければなりません。授業中にも必ず話していることではありますが,学生諸君には,この授業で考えたことや感じたことを,是非一人でも多くのまわりの人と共有してもらえたらと期待しております。近い将来において様々な領域でリーダーシップを発揮するであろう学生諸君に授業ができることは,その影響範囲を考えると,波及効果が計り知れないと考えております。弛まず授業内容の精錬に努めてまいりたいと存じます。

 

全学的に広めるべき優れた教育を行っている授業

受賞科目
報道・映像の地質学
担当教員
教育学研究科 宇野 康司 教授
選考理由

 この科目は,身近な報道・映像資料を豊富に活用し,学生の関心を高めつつ,情報リテラシーと防災意識を涵養しており,大人数授業でありながら,学生の評価も高い授業です。
 また,授業中にディスカッションさせ,意見をレポートに記載させるなど,映像をただ視聴するだけではなく,しっかりと考察させる工夫がなされており,学生の知識面だけでなく行動面での変容に踏み込んでいます。
 これらの点から,全学に広めるべき優れた教育を行っている授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 全学に広めるべき優れた教育を行っている授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 この度は,栄えある賞にお選びいただき,誠にありがとうございます.大学教員に求められる能力のうち,研究成果についてはそれぞれの学術雑誌に見合った審査を受けることで,ある程度の客観的評価も得ることができます.その一方で,教育に関して自分自身の授業がどの程度評価されているのかを知ることが難しいと感じていました.授業評価アンケートはその情報が得られる数少ない手段の一つであると思います.そこで私が立てた目標が,受講生の学問的バックグラウンド(所属学部等)に関係なく,さらに大人数の授業であっても,アンケートにおいて「非常に良い」を得ることです.また,アンケートの自由回答欄に,授業を高く評価する意見をひとこと書きたくなるような授業を目指そうと決心しました.そうして計画された授業が今回受賞対象となりました「報道・映像の地質学」でした.アンケートの自由回答欄に何か書いてもらってこそ,授業改善の手掛かりが得られるものと思います.今後も“何か書きたくなる”授業となるよう努力したいと思います.

 

【本件お問い合わせ先】学務部学務企画課
TEL:086-251-8424 FAX:086-251-8440
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