本学は平成24年度に国立大学としては初めて国際バカロレア(IB)入試を導入し,この本学の取組は平成26年度からは文部科学省「大学教育再生加速プログラム(AP)事業」として採択されています。導入から8年,募集人員の定員化も進んでおりIB入試が定着してきました。現在,複数の学部にIB校出身学生が在籍している中,IB生に日本の教育制度に対する思いや,自身の大学生活などについて率直な思いを語ってもらうため,本学は5月14日,IB校出身学生と理事との懇談会を開催しました。

 懇談会には2~5年生のIB校出身学生10人と佐野寛理事(教学担当)・総括副学長,門田充司高大接続・学生支援センター長(入試改革担当副学長)らが出席し,高大接続・学生支援センター学生支援部門のマハムド・サビナ准教授がファシリテーターを務め,活発な意見交換が行われました。

              活発な意見交換をするIB校出身学生ら

 学生からは「IB教育は知識を蓄えた後,その知識を使って理論立てて自らの答えを導いていく事に重きが置かれていて,レポート課題も多かったため,積極的に質問することや,議論を重ねることが自然に身についていった」といった教育制度の特長や,「自分の経験を話したことで,友人から留学するきっかけになったと感謝されて嬉しかった」,「センター入試を利用しない入試制度なので,他の学生から驚かれた」といった入学後の経験談のほか,「IB教育では普通のことであった積極的に物事に取り組む姿勢が目立ってしまい,環境に馴染むのに少し時間がかかってしまった」といった学生生活の悩みも語られました。

             

 また,「プレゼンテーションや活発な議論が行われる機会が少なく感じる」「英語で開講されている授業が少なく英語に触れる機会も減ったので,英語力が低下することへの不安がある」など,大学のカリキュラムについての忌憚のない意見も出され,理事とIB校出身学生双方がお互いへの理解を深める有意義な懇談会となりました。

              

 本学ではこれまでIB入試により44人が入学し,2019年3月までに4人のIB校出身学生が本学を巣立っています。日本の教育の枠組みとは異なる学修方法を修得しているIB校出身学生には,それぞれが個性ある能力を伸ばしていくことで,日本の教育制度の中で育ってきた学生達との相互作用によるお互いの能力の向上を期待しています。

 本学は今後もIB入試をはじめとした国際化に向けた大学改革に積極的に取り組み,グローバルに活躍できる人材を育成していきます。

         今回の懇談会に参加した学生10名とマハムド准教授(後列左から3人目),                
          佐野理事(後列中央),門田センター長(後列右から3人目)

 

 

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